Plugin コマンド

プラグインは、 Grav の CLI bin/plugin と統合でき、特定のタスクをターミナルから実行することで、プラグイン機能を強化します。

Grav CLI セクションで説明したとおり、コマンドの実行には　terminal を使う必要があります。

bin/plugin コマンドを実行すると、CLI 機能を提供するプラグインすべてのリストが表示されます。

bin/plugin コマンドに渡される最初のオプションは、常にプラグインのスラッグです（例 error, login, など）。
2つ目のオプションは、プラグインが提供する実際の command です。

プラグインの実装次第で、他のオプションを受け付けることもあります。
bin/plugin [スラッグ] list コマンドにより、それらの、より詳しい内容を調べられます。

コマンドとオプションの予約語

いくつか、予約された コマンド と オプション があります。
これらは、どのプラグインでもいつでも使えます。
あなたが開発者で、独自のタスクを実装しようとしているなら、これらを覚えておくことは特に重要です。
なぜなら、これらの予約語をコマンドやオプションに使えないからです。

コマンド
`help`	コマンドのヘルプを表示
`list`	コマンドの一覧を表示

オプション
`-h`, `--help`	ヘルプメッセージを表示
`-q`, `--quiet`	メッセージを一切表示しない
`-v`, `--version`	アプリケーションバージョンを表示
`--ansi`	ANSI で強制出力
`--no-ansi`	ANSI 出力を無効化
`-n`, `--no-interaction`	インタラクティブな質問を聞かない
`-v\|vv\|vvv`, `--verbose`	メッセージの詳細度を増加します： 1つの場合ノーマル出力、2つの場合より詳しい出力、 3つの場合デバッグ用です

プラグインでの CLI の使い方

list と help コマンドは、まだプラグイン CLI の使い方に詳しくないときに、とても便利です。

list により、利用可能な全コマンドにアクセスでき、それぞれの簡単な説明を見られます。

以下は、 login プラグインの例です。 bin/plugin login list を実行した結果です。

[!Note]
プラグインのスラッグのあとに何もコマンド入力しなかった場合、デフォルトでは自動的に list になります。つまり、 bin/plugin [スラッグ] list と、 bin/plugin [スラッグ] は同じ意味です。

見てのとおり、オプションとコマンドのほとんどは、予約語リストに対応しています。
login プラグインが提供する実質的なコマンドは、 add-user, new-user and newuser です。

お気づきのとおり、この3つの実質的なコマンドのヘルプ説明は同じです。
これは、どれを選んでも、3つのコマンドは全く同じになるからです。
add-user と newuser は、実際、 new-user のエイリアス（別名）で、そのコマンドを知らなかったり、覚えていなくても、簡単に言い当てられるようになっています。

では、login プラグインに new-user コマンドがあることが分かったので、あとは使い方を知るだけです。
ここで、予約語の help コマンドの出番です。
bin/plugin login help new-user を実行してみましょう。

これで、 new-user コマンドと、その使い方を完全に理解しました。
新しいユーザーを作ってみましょう。
定義上、オプションはすべて任意なので、パスワードはあえて省略しています（後で、プロンプトに聞かれることになります）。

bin/plugin login newuser -u joeuser -e joeuser@grav.org -P b -N "Joe User" -t "Site Administrator"
Creating new user

Enter a password: *********
Repeat the password: *********

Success! User joeuser created.

開発者向け：プラグインに CLI を統合

開発者の方は、管理パネルやユーザーが実行できる CLI コマンドを作りたくなるかもしれません。
プラグインにそのような機能を追加するのは、とても簡単です。

最初にやるのは、プラグインのルートディレクトリ下に cli/ フォルダを作成することです。
このフォルダは、 bin/plugin により処理され、コマンドクラスへスキャンされます。

Grav の CLI は、素晴らしい Symfony Console コンポーネントをもとにしており、Symfony のドキュメントが完全に利用可能です。
その際、考慮すべき重要事項がいくつかあります。

class のファイル名は、標準にしてください。大文字から始まり、 Command.php で終わります。
- Hello.php: 間違い
- helloworldCommand.php: 間違い
- HelloworldCommand.php: 正しい
- HelloWorldCommand.php: 正しい
常に ConsoleCommand を拡張すべきです。これにより、カラーフォーマットや、Grav インスタンスへの直接アクセス、及びその他のユーティリティなど、Grav の拡張機能が使えます。（詳しくは）
Symfony Console は、 execute メソッドが必要です。 ConsoleCommand を拡張するときは、これは serve になります。

以下は、初めて作成するときのためのシンプルな具体例です。
HelloCommand.php として保存し、プラグインのルートディレクトリの cli/ フォルダ（ user/plugins/my_plugin/cli/HelloCommand.php ）に置けば、そのまま試すことができます。

<?php
namespace Grav\Plugin\Console;

use Grav\Console\ConsoleCommand;
use Symfony\Component\Console\Input\InputArgument;
use Symfony\Component\Console\Input\InputOption;

/**
 * Class HelloCommand
 *
 * @package Grav\Plugin\Console
 */
class HelloCommand extends ConsoleCommand
{
    /**
     * @var array
     */
    protected $options = [];

    /**
     * Greets a person with or without yelling
     */
    protected function configure()
    {
        $this
            ->setName("hello")
            ->setDescription("Greets a person.")
            ->addArgument(
                'name',
                InputArgument::REQUIRED,
                'The name of the person that should be greeted'
            )
            ->addOption(
                'yell',
                'y',
                InputOption::VALUE_NONE,
                'Wheter the greetings should be yelled or quieter'
            )
            ->setHelp('The <info>hello</info> greets someone.')
        ;
    }

    /**
     * @return int|null|void
     */
    protected function serve()
    {
        // Collects the arguments and options as defined
        $this->options = [
            'name' => $this->input->getArgument('name'),
            'yell' => $this->input->getOption('yell')
        ];

        // Prepare the strings we want to output and wraps the name into a cyan color
        // More colors available at:
        // https://github.com/getgrav/grav/blob/develop/system/src/Grav/Console/ConsoleTrait.php
        $greetings = 'Greetings, dear <cyan>' . $this->options['name'] . '</cyan>!';

        // If the optional `--yell` or `-y` parameter are passed in, let's convert everything to uppercase
        if ($this->options['yell']) {
            $greetings = strtoupper($greetings);
        }

        // finally we write to the output the greetings
        $this->output->writeln($greetings);
    }
}

[!Note]
別のシンプルで良い具体例としては、 Error Plugin (LogCommand.php) があります。より複雑な例としては、 Login Plugin (NewUserCommand.php) をご覧ください。

Plugin コマンド

目次

コマンドとオプションの予約語

プラグインでの CLI の使い方

開発者向け：プラグインに CLI を統合